消費者金融が多重債務者に破産申し立てされる逆転現象




消費者金融としては中堅の「三和ファイナンス」(東京)。
一時期テレビコマーシャルでも、さんわ、サンワ、三和ファイナンス♪というリズムが聞こえていた時代も有りました。
その三和ファイナンスから法定金利を超える違法な返済を迫られたとして多重債務者が結託しました。
結論から言えば、多重債務者が三和ファイナンスの破産を申し立てた事例の話です。

詳しく言えば、過払い状態になっている全国の多重債務者ら598人が共闘したのであります。
さらに具体的に言えば、9月12日、過払い金が回収できないことを理由に三和ファイナンスの破産を東京地裁に申し立てました。
申し立て側の弁護団、すなわち多重債務者の味方をしている弁護団によると、革新的なことらしいです。
すなわち、いちおう全国展開している消費者金融に対して多重債務者が共同して破産を申し立てるのは、斬新で異例。
多重債務者たちの復讐が各地で開始される端緒になりそうな勢いですが、具体的に見ていかないと、多重債務者は自分で自分の首を絞めることになりかねません。
なぜなら、破産財団を形成させて、その財団から比例的な弁済の満足を多重債務者たちが受けることを想定していますが、借金病が治癒されていない状態での勝利は、果たして本来的な完全勝利といえるでしょうか?
つまり、過払い金を破産財団から支払ってもらって、自己の債務の縮減として充当したところで、また、元の木阿弥に立ち返ってしまうのではないかという老婆心です。
本質的にナゼ多重債務者になってしまったのか、金銭の浪費癖は治ったのか?
そういう基本的な姿勢を抜本的に更正していないにもかかわらず、過払い金請求によって自己の経済状態が一時的にせよ楽になったところで、また、もとの多重債務者に戻ってしまう可能性が高い人は、けっこう、多いに違いありません。
その場合、過払い請求してきた債務者としての情報がデータベースに残ってしまえば、信用情報データベースを共有する消費者金融グループからは、今後一切、借金できなくなるリスクが生じる。
そういうリスクまで見越して彼ら多重債務者が行動しているか否か?
いいえ、いきあたりばったりで、一時にせよ、自己の借金が減ればよしと考えている人が多いように思われます。
では、生活のレベルを落とさず、家計簿もつけず、金銭にだらしがない多重債務者が、過払い金請求してから後に、どこの消費者金融機関も貸してくれない場合は、どこに流れていくか?

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(C) 2012 審査の甘い消費者金融と多重債務者